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2016/01/06

MVNOと格安SIM

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MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)」の略で、携帯電話などの移動体通信網を自前で持たない事業者のことです。MVNO各社は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなど自前で移動体通信網を持つMNO「Mobile Network Operator(移動体通信事業者)」の通信網を借りて、ユーザーに独自のサービスを提供しています。MVNOの存在は、ユーザーが自分の利用形態にあったサービスを探す上での選択肢を増やしました。

日本では、2001年に日本通信b-mobileがMVNO事業者として初めて参入しました。MVNO市場は比較的容易に参入できることもあり、その後、多種多様の業種の企業がMVNO市場に参入し、2015年3月末時点で181社と、携帯電話大手3社に次ぐ「第4の勢力」と呼ばれるまでに拡大しています。

このMVNOはレイヤ2接続の解禁や接続料の低減により市場が拡大し、2015年5月にはSIMロックの解除が義務化されたことから、MVNOが提供する「格安SIM」が注目を集めています。

大手3社のデータ通信料金は月額5000~6000円程度が相場ですが、MVNO事業者の価格競争により、格安SIMの中には1000円以下で利用できる料金プランもあります。格安SIMはデータ通信量や通信速度に制限を加えることで、MNOとの接続帯域に収容するユーザー数を増やして、低廉な料金を実現しています。

これまでMVNOは総務省の後押しもあり、追い風に乗って市場を拡大してきましたが、安倍首相が携帯電話料金の引き下げを指示したことにより、総務省は2015年12月、携帯電話料金に関するタスクフォースの提言を受けて、大手3社に対して携帯電話の低廉な料金プラン等を提供するように要請を行いました。これにより、大手3社が1Gバイトの料金プランを投入するようなことになれば、格安SIMのメリットが薄れ、大きな逆風となるかもしれません。