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Focus
2017/07/10

自動運転車に免許はいるのか?

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人間がハンドルを握らなくても、AI(人工知能)がクルマを目的地まで安全に運んでくれる自動運転車の開発に注目が集まっています。
自動運転は1~4までのレベルが設定されており、レベル2までの車は、既に日本でも販売されています。例えば、道路渋滞時に前方の車の動きを検知して停止・発進する、テレビCM等でお馴染みの機能が自動運転レベル2に該当します。

自動運転レベル0

「アクセル(加速)・ハンドル(操舵)・ブレーキ(制動)」全ての操作を常にドライバーが行う。

自動運転レベル1

「アクセル・ハンドル・ブレーキ」のいずれかの操作をシステムが自動で行う。

自動運転レベル2

「アクセル・ハンドル・ブレーキ」のうち複数の操作をシステムが自動で行う。

自動運転レベル3

「アクセル・ハンドル・ブレーキ」の全ての操作を自動で行うが、システム障害等の緊急時にはドライバーの対応が求められるため、運転免許を持つ者が必ず1人乗車する必要がある。

自動運転レベル4

「アクセル・ハンドル・ブレーキ」の全ての操作を完全に自動で行い、ドライバーは全く関与しない。

 一般に、レベル2以上を「自動運転車」、レベル4を「完全自動運転車」と定義しています。
ドイツのアウディ社は来年、世界初となるレベル3の量産車を市場投入し、アメリカのフォード社は2021年を目途にレベル4の量産を目指すといわれ、日本をはじめ世界各国が自動運転車の開発に乗り出しています。こうした動きもあって、2030年頃には日本国内でもレベル3が1050万台、レベル4が56万台まで普及すると予測されています。

では、レベル4の完全自動運転車に乗る場合、運転免許証は必要なのでしょうか? 

2017年3月、カリフォルニア州車両管理局が自動運転車に対する世界初の規制案を公表しました。この規制案によると、自動運転車の走行には「自動運転車運転免許証」を取得したドライバーの乗車が義務付けられ、システム障害等の緊急時に人間が対応できるよう、ハンドルやブレーキの装備も求められています。
規制案は、一般からの意見を募った上で最終的に決定されますが、法整備で先行するカリフォルニア州のルールが世界標準となる可能性は大きいと思われます。

今後、少子高齢化が進む社会においては、自動運転車の可能性に対する期待と需要は確実に高まっていきます。様々な理由で免許を持てない、あるいは運転できない「交通弱者」のニーズに応えられるようなルール作りが必要です。