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Focus
2018/01/17

コミュニケーションロボット

ブログ

人間の代わりに作業する機械として、工業用・産業用を中心に発達したロボット。その語源は、チェコの作家チャペックが「robota(チェコ語)=強制労働」から作った造語「Robots」に由来し、文字通り危険な作業や単純な繰り返し作業等の労働を担いながら、産業界での安全性と製品品質や生産性の向上に貢献してきました。

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これに対して、家事や介護等の生活補助ロボットはあくまでもSFの世界だけの話として、実際に商品として実用化されることはあまりありませんでした。しかし近年、日常生活を支援するロボットに注目が集まりつつあります。こうしたロボットを総務省の『平成27年度版 情報通信白書』では総称して「パートナーロボット」と呼んでいます。既に一部の企業では、センサー、人工知能(AI)、情報処理等の技術の発達を背景に、パートナーロボットの黎明期とも言うべき商品が実用化されつつあります。パートナーロボット活用への期待が高まっている分野の一つが介護です。介護分野でのロボット技術の活用については、既に神奈川県の介護ロボット推進センター等で試行的な取組みが始まっています。

 一方、ソフトバンクの「Pepper」(2015年2月販売開始)の登場以降、言葉を理解したり、表情を読み取って人間とやり取りすることができる「コミュニケーションロボット」への関心が高まり、各社が実用化・汎用化に向けてしのぎを削っています。

コミュニケーションロボットとの交流は、認知症の予防や寝たきり防止につながる他、家族やペットの代わりとなって、身体面だけでなく精神面を支える等、様々な可能性が期待されています。

コミュニケーションロボットをはじめとした生活支援ロボットは、将来的な成長市場として注目されており、今後ますます需要が拡大していくと思われます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、交通機関や施設における観光案内等の新たなニーズも期待できることでしょう。
「強制労働」を語源としたロボットは、時代を経ていく中で、私たちの大切なパートナーという存在に変わりつつあるようです。