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2013/09/27

シルバーシートと携帯電話

ブログ

電車に乗ると「優先席の近くでは携帯電話の電源をお切り下さい」という車内アナウンスが流れます。べつに電源を切らなくてもマナーモードにするだけでいい のではという疑問(反感?)を持つ人は少なからずいるのではないでしょうか。シルバーシートには往々にして心臓にペースメーカーを入れている方が乗車さ れ、その機器に携帯電話から発する電波が悪影響を与えるというのが主な理由です。もっとも現在の携帯電話は悪影響を与えないという説もあり、ここではその 正否は論じません。ただ携帯電話からは我々が思っている以上に頻々に電波を発しているということをここで紹介しようと思います。

携帯電話はメールしているときや通話をしているときは当然基地局と送受信をしています。しかし実はマナーモードにして何もせずに電車に乗っているときも 頻々にポケットの中の携帯電話は基地局と送受信をしているのです。その理由はそもそも携帯電話が「なぜどこにいても通じるのか?」という疑問に答える必要 があります。

電波の届かないところは論外ですが、東名高速を車で走っているとき長い日本坂トンネルにさしかかったとします。トンネルに入る直前の基地局とトンネルを出 たところの基地局は違っていても携帯電話会社はちゃんと居場所をつかんでいるのです。この居場所はGPSのように正確なものではなく基地局レベルという大 まかなものです。この大まかな範囲のことをセルと呼びます。携帯電話のことをセルラーというのはここから来ています。動く携帯電話の居場所を常に把握して いるのは携帯電話から「おいらはここだよ」と定期的に発信しているからです。それを受けた最寄りの基地局はホームメモリ局に連絡しホームロケーションレジ スタという一種の居場所台帳を更新します。また携帯電話の電源を入れた時も、まず最初にやることは「おいらはここだよ」と発信することです。このルールを 守っている限り、電話がかかってきたときはこのホームロケーションレジスタに問い合わせれば居場所(セル)が分かりそこを管轄している基地局からあなたの 携帯電話を呼び出すことが可能になります。

こういった楽屋裏の仕事を携帯電話は頻々にやっているので、マナーモードにしていても電源を入れている限り頻々に電波を発信しているという事になるので す。古い携帯電話も新しいスマホ(スマートフォン)もこの部分の原理は同じなのでやはりシルバーシートの近くでは電源を切った方がよろしいかと思われま す。